ご挨拶
1970年代は、「漢方復権」「心身医学」が注目された時代。当時、医学生だった私は「身体の病気が心のストレスから起こる」という考えに衝撃を受け、また深く共感を覚えました。アメリカでは、ホリスティック医学の起こりがあった頃です。「ストレスの緩和や精神的な症状を和らげるのは、投薬だけではない」と強く思っていた私は、心身医学の分野に進みたいと考え、大学卒業後は、「心身医学」の認定医を取るために常勤や非常勤で働きながらホリスティック医学を学びました。
そして、1997年に当院を開業。当時ではホリスティック医学を実践しているクリニックは大変少なかったのですが、逆にないからこそやるべきだと思いました。がんのホリスティック医学は知られていましたが、もっと身近なところからホリスティック医学にもとづいた治療が必要だと思ったのです。身体・心・スピリット・環境といった全体から患者さんを捉え、スピリットの深いところから悩みの本質を考えていくのがホリスティック医学の考え方です。
しかしその本質に向き合うのは、簡単なことではありません。悩みが深い時には、視野が狭くなりがちになり、全体的に物事を捉えられなくなる傾向が強いです。そのような時に、全体を見渡し、ご自身の置かれている状況から、快方へ向かう道筋をつけるのが「ガイド役」である医師の役目だと私は考えています。
患者さんの多くは、人間関係や人とのお付き合いの仕方で悩んでおられますが、それは無理もないことです。学校などでは教わってこないことですし、悩んで初めて「人間の生き方とはなにか」ということを考える方もまた、多くいらっしゃいます。
当院では、その方の「自然体の姿」を大切に、全体的な視点で病気を捉えていきます。身体があまりにも疲れていると、正しい判断ができません。その時にはまず鍼灸や整体などで身体を調整して、その後カウンセリングを行う場合もあります。また、森林療法で自然の力を使用することもあります。もちろん、患者さんそれぞれによって治療の進め方もペースも異なります。ひとりで悩まずに、まずは相談してみてください。小さな悩み事がある場合や身体の調子が悪いと感じた時、なるべく早く来院していただくことが早く快方に向かうためにも大切とも考えています。どうぞお気軽にご来院ください。
院長 降矢 英成